経緯
私が現在所属している組織では、スクラム開発が推進・実施されている。
数年運用されていることで組織に合った形に変化も進んでおり、導入当初よりメンバーもかなり増加しており、 チーム内でも「なぜスクラムで開発するのか」や「スクラムに対する考え方」のような部分で少しずつ認識にズレが生まれたりしていた。
私個人で言うと、前職も含め3年ほどスクラム開発を行っているものの、書籍を通じた勉強はしたものの、きちんと体系だった知識は持っていない状態だった。
こういった状況で、チームの中で改めてスクラムについて知ろう、という話題が上がり、CSM研修を受講しようという流れに。
研修の概要
日程
2023/12/07 ~ 08 の2日間の日程に参加した。
当日は10:00 ~ 16:20(16:00以降は講師への質問タイム)で、お昼ごろに1時間程度の休憩が挟まる形。
進め方
参加者向けにZoomミーティング、Miroのボードが共有され、完全オンラインでの実施。
認定要件に関わるため、休憩時間を除いて終日カメラオンにする必要がある。
英語話者の講師の解説が日本語に通訳される形で講義が進む。
質問や回答などもきちんと伝えてもらえるため、意思疎通で不便を感じることは一切なかった。
参加者
私が参加した回は、スクラム開発の導入を検討している方やスクラムっぽい進め方をしていたので改めて知識を得たい、という方が多かった。
経験者で受講している人は1~2割ほどだったように思う。
演習
今回は4~5人を1チームとして、初日の冒頭でチーム分けが行われた。
演習はすべてそのチームで進めることになる。
概ね
- 講師による説明
- チームでのワーク
- 各チームの結果共有・答え合わせ
- 事例紹介(テキスト、動画視聴など)
の繰り返しで進んでいく。
初日はスクラムにおける責任や役割、成果物、見積もりなどの説明とワークを行った。
事前知識があまりなくてもそれぞれを体験的に学習できるよう設計されている。
どちらかというと座学+チームとのコミュニケーションの側面が強かった印象がある。
終了時には、2日目の演習に使用する所要時間30分程の宿題が課された。
2日目は、モブ作業の効果についての説明や認定試験対策のセクションがあったものの、大半の時間を実際にスプリントを回すワークに使った。
チーム内で何らかのプロダクトを検討し作成、スプリントレビューによる修正などを行う。
時間制限が厳しく、途中で役割のローテーションによってPO役の人が変わるのもあり、かなり忙しいワークだった。
この短時間でFlutterで動くものを作っていたチームがあり、かなりびっくりした記憶がある…。
感想
なんとなくこういうものだ、と思っていたスクラムイベントや成果物の考え方について、丁寧な説明やワークを受けながら自分の理解を確認することができ、とてもいい研修だった。
参加者の項目でも書いた通り、スクラム未経験でもコアな部分がしっかり理解できると思う。
一方で、時間の都合もあってだいぶ簡略化されたワークなのもあり、ここで初めて学ぶ人が実際の導入時に遭遇する問題を想像しづらいかもしれない。
(個人的にはそういった問題に行き当たったときに自分たちでより良くしていくところもスクラムの面白さだと思うが)
また、繰り返し心理的安全性について言及していたのが興味深い。
実際の講師の方の振る舞いも、相手の失敗を否定しない、より良くするための気付きのヒントを与える、うまくいったら一緒に喜ぶ、という形でとても話しやすく、学ぶべき姿勢だと感じた。
完全に個人の感想として、どんな人に受講をおすすめしたいか。
受講をおすすめしたい人
- スクラムの導入を検討している
- 体系的な学習をしたい
- 実業務の中で疑問やうまく当てはめられない点にぶつかっている
受講をおすすめしない人
- すでに十分なスクラム知識がある
- イベントや成果物などに対する疑問、懸念が特に出ていない
- 自分たちの進みたい方向性が明確になっている
試験
Scrum AllianceのWebサイトで受験する。
60分で50問出題され、37問正解で合格。
2回目までの受験は研修の料金に含まれているようで、一度落ちても無料で再受験ができる。
(以降は$25/回ほど必要になるらしい)
試験範囲は以下で、研修で触れていなかったり掘り下げなかった部分も出題され、少し苦戦した。
受験前に内容の確認がおすすめ。
私は49問正解で合格。
記録されるなら満点とりたかった…。
参考書籍
元々スクラム開発を学ぶ上で参考にしていた書籍たち