- 作者: D・カーネギー
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 2016/01/26
- メディア: Kindle版
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カーネギーはパブリック・スピーキングの講座の教師を行っており、
その経験などから得たノウハウが記されている。
本書の元となっている本は1926年に書かれた本であるけれども、
現代におけるスピーチでも十二分に活用できる、根本的な知識、概念であると感じた。
文章は持って回った言い回しや例え話、比喩、過去の体験を交えたものとなっていて、
ただの説明的な文章とならないようになっている。
反面、すぐにスピーチを控えているので、手っ取り早くノウハウを知りたい時に読む本ではないと思う。
- 第一章 勇気と自信を養う
- 第二章 自信は周到な準備から
- 第三章 有名演説家はどのように準備したか
- 第四章 記憶力を増進する
- 第五章 スピーチの成功に欠かせないもの
- 第六章 上手な話し方の秘訣
- 第七章 話し手の態度と人柄
- 第八章 スピーチのはじめ方
- 第九章 スピーチの終わり方
- 第十章 わかりやすく話すには
- 第十一章 聴衆に興味を起こさせる方法
- 第十二章 言葉遣いを改善する
第一章 勇気と自信を養う
- 怠りなく準備を行うことで、自分の話す内容を理解し、自信が持てる
- 意識して自信満々に振る舞うことで気持ちもついてきて恐怖心を克服できる
- 経験を積んでいけば自身の実力を知ることができ、自信を持つことができるようになる
第二章 自信は周到な準備から
- 準備とは、言い回しや文章を暗記することを指すのではない
- 自分自身の考えを編み上げて、話したい内容、伝えたい内容を膨らませていくことが準備
- 多くの時間を使って題材について自分自身に問いかける事、問いから新しい考えを生み出していくことが重要
- 自分の考えを補強する知識や素材、本などを集め、情報を十分に蓄積する
- 実際に使用するよりも多くの知識を知っていることは自信につながる
第三章 有名演説家はどのように準備したか
- スピーチの構成に決まった法則はない
- 一つの話題を取り上げた時に全てを語るようにし、話題が行ったり来たりしないようにするべき
- メモを見る行為は話し手への興味を阻害するため、避けるべき
第四章 記憶力を増進する
- しっかりと記憶するために重要なのは、印象・反復・連想である
- じっくりと観察し、言葉を声に出すことでより強い印象を得られる
- 特に視覚からの印象は重要であるため、要点をまとめた絵等を用いる方法もある
- 反復を行う際は、ひたすら繰り返すよりも間隔を開けて行う
- 記憶を引き出すためには、自分の持っている様々な知識と関連付けて覚えることが重要
- 語呂合わせや話の流れを連想させるような文章を作っておくと思い出しやすい
(例えば元素記号の水兵リーベ等...)
第五章 スピーチの成功に欠かせないもの
- 何かを学ぶ際には必ず停滞する時期が訪れるが、諦めずに学び続ける事で成長できる
第六章 上手な話し方の秘訣
- 「大切なのは何を話すかではなく、むしろどう話すかということだ」
- 良いスピーチは日常会話の延長上にあるものなので、話し手と聞き手で対話を行う姿勢を忘れてはならない
- 重要なところは強調し、時間をかけ、間を開けることで重要であると感じられるように話す
第七章 話し手の態度と人柄
- 休息を取り、疲れた状態で話さないようにする
- 話す前には食事を控えめにし、頭に血が回るようにする
- 魅力的に見える身なりをすると、自信を増すことができ、聞き手も敬意を払う
- 笑顔を絶やさないようにする
- 聴衆を散らばらせないようにし、一箇所に固めるようにすると、心を動かしやすい
- 自分の表情がよく見えるように壇上は明るくする
第八章 スピーチのはじめ方
- スピーチの出だしは、強く印象に残りやすいので周到に準備をしておくべきである
- 聴衆は核心を聞きたがっているので、前置きは短く、簡潔に行う
- 堅苦しい始まりは避け、気楽で、さりげない印象をあたえるようにする
- 具体例を挙げたり、印象的な言葉を引用したりして、聞き手の注意を引きつける
第九章 スピーチの終わり方
- スピーチの終わりは、一番長く聞き手の記憶に残る可能性があるので重要
- 話の要点をまとめたり、聴衆に語りかけたり、言葉を引用して、上手に終われるよう計画しておく
- 聴衆がもう少し聞きたいと思っている間に話を終える
第十章 わかりやすく話すには
- わかりやすく話すことは非常に大切だが難しい
- 聞き手の身近な、知っている出来事に例えることで聞き手にとってイメージしやすくなる
- 相手が知らない分野を話すときは専門用語を避け、子供でもわかるような平易な言葉で話す
- 実物や写真・図解などを見せて視覚に訴えると良い
- 重要な内容は言い回しを変えて複数回繰り返す
- 抽象的な話は後から例を示してわかりやすくする
- あまり多くの題材に触れず、主要な題材とするのは1つか2つにしておくべき
- 最後に自分の話した内容の要点をまとめると、聞き手がわかりやすい
第十一章 聴衆に興味を起こさせる方法
- 人間は身近な事柄の知らなかった事実に興味を抱く
- 人間の主な関心事は自分自身に関係のあることである
- 具体的で明確に話すことで、明確で、印象深い話になる
「ルターは子供時代頑固で強情だった」 ↓ 「ルターは子供時代頑固で強情な子供で、午前中だけで十五回も先生に鞭で打たれた」 - 物事を形容する語句を含むことで、聞き手の脳内にイメージを作り出すことができる
- 対照的な文章を用いて考えを対比させる
第十二章 言葉遣いを改善する
- 行動・外観・話す内容・話し方の4つで人間関係は成り立っている
- 優れた文章に触れることで言葉遣いを正しく、美しくすることができる
- 知らない言葉を見つけたら、辞書で調べ、日常会話で使ってみることで、語彙を増やすことができる
- 使い古された表現ではなく、より意味が正確に、的確に伝わる表現を考える