目次
- モダンアプリケーションとは何か
- サンプルアプリケーションの紹介
- アプリケーション開発におけるベストプラクティスを適用
- データの取得による状況の可視化
- サーバーレスやコンテナテクノロジーによる運用改善
- CI/CDパイプラインによるデリバリーの自動化
- 要件にあったデータベースの選択
- モダンアプリケーションパターンの適用によるアーキテクチャの最適化
個人的な想定読者
- インフラを含めたアプリケーションの全体設計に興味を持った若手
- 運用経験があるがAWS上で構築されるアプリケーションの知見が少ない中堅
感想とか
5年間は生き続ける考え方が凝縮された良書「AWSで実現するモダンアプリケーション入門」 | DevelopersIO で興味を持ったので読んでみた。
架空のサービスを設定し、様々な機能拡張や顕在化する課題の解決を行うことで、少しずつモダンなアプリケーションへ近づいていくという構成。
同じような用途でも複数の実現方法が提示されたり、なぜそのサービスを利用するのかという部分がちゃんと説明される*1ので、納得と理解を持って読み進められる。
トランクベース開発の紹介や、CI/CDの説明、サーバーレスについての解説など、全体を通して、小さく頻繁に変更し、運用負荷が低い状態を保つという意識が通底している気がする。
個人的に知見の薄いマイクロサービスに関連する部分は、分散トランザクションやイベントソーシングなどのトピックも取り上げられていて学びがあった。
現実でここまで色々組み合わせた構成にするのは大変だろうなと思いつつ、このページ数で解説できていることがすごい。 一方で、ハンズオンやサンプル環境などが存在しないので、全体像を想像しながら読めるバックボーンが必要な本ではあると思う。 オンプレ開発の経験が長く、現職でなんとか会話についていこうとしている自分にとって、この本があと1, 2年早く出ていたらかなりショートカットできただろうなと思える良い一冊だった。
*1:サービスメッシュの解説では、あえて「利用しなくてもよい」ような状態も説明されていたり